20年くらい前にXMLが出てきたあたりから、DTPの未来はないなと薄々感じていました。DXとかAIとか言われるようになってからは、もう完全に終わったな、ハイ、ハイ、オワコン、オワコンと半分投げやりになっていました。今の職場を見つけるまでは。
そうなのです、適材適所を見つければ、DTPにも未来はあるのです。
ただ、この適材適所ってやつを見つけるのが難しい。ほぼ運みたいなもの。
今、私はこの運を使って、WordでDTPができる環境にいます。これはもしかしたら一生分の運を使いきってしまったのかもしれません。それならそれでこのラッキーな環境をあと10年続けて逃げ切ってやろうとも思っています。
今までの私の仕事といえば、翻訳からのDTP。翻訳でくずれたレイアウトをきれいに整える仕事で、なんというか、翻訳のバーター的存在。日陰の女?愛人?裏社会で生きるマフィア?のような、表舞台には決して出ることのできない(←ちょっと大げさ)いつも二番手的な存在(仕事)と勝手に思っていました。
しか~し、しかしですよ、表舞台にあがることができるということを今の環境で気付いたのです。
DTPができる人は、ゼロからマニュアルを書けばいいのです。テクニカルライティングをされている方からは、「何を言っているんダ!このド素人が!」と怒られそうですが、たぶんDTPをやっている(た)人は書けると思います。
だって、だってですよ、DTPやっている(た)人は、納品する直前作業の工程に携わっているから、校正という名のチェック作業を必ずされた経験があると思うのです。しかも膨大な数の。知らず知らずのうちに多種多様なマニュアルを読んでいるのです。マニュアル内のあんな言い方、こんな言い方を無意識のうちに記憶しているのです。あとはその培った膨大な記憶の引き出しからピッタリな言い回しを引っ張りだしてマニュアルを書くのです。
それがちょっと不安だったら、「日本語スタイルガイド」を読んで、テクニカルライティングの基本を学べばいいのです。もうベースがあるのですから、理解度も早いはず。もしかしたら、すでにテクニカルライティングの資格を取得されている方もいらっしゃるかもしれません。
あとは、DTPができるから、ここは「見出し」とか、ここは「手順」とか全体の構成も容易に想像でき、レイアウトしながら書くことができるのです。しかも、テンプレートが存在しなければ、自分の好きなデザインで1冊を仕上げることができるんです。こんな素敵なスキルを持っているのだから絶対にライティングをやるべきなのです。
これからは、どんな職種でもAIと共存していく未来が待っています。DTPオンリーのスキルだとたぶん未来はないと思います。ゼロから書くという『創造力』が必要なラインティングとDTPを組み合わせることで、明るい未来が待っているのではないでしょうか。ハイブリッドですよ、ハイブリッド。
このことに気づけたことが、もしかしたら今の環境で仕事ができる一番のラッキーだったのかもしれません。今はちょっとだけ感謝しています。時給は低いけどxxx(笑)